屋根裏部屋でホコリをかぶっていた本を引っ張り出して来ました。ちょっと気になった部分だけを取り出して「個人の感想」を書いてます。
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私の父も「喜びも悲しみも幾年月」の映画好きでしたね。
高峰秀子と佐田啓二でしたっけ?

私はそれよりも父が語った(灯台ではないですが)鹿児島湾沖、戦艦榛名の甲板上の昭和天皇を思い出しますね。
昭和6年11月19日、熊本の陸軍大演習を終え、横須賀へ向けて南下する榛名、日は暮れ、真っ暗な海上にわずかに見える灯火、お召艦と護衛の駆逐艦4隻、それぞれに灯火が一つずつつく。
お召艦は2つ目の灯火である。
船は見えないがその灯に向かって湾沿いの村人たちが手に手に松明やちょうちんを持って海岸線に沿って並びお見送りをしている。

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遥か10余キロを隔てたかなた、薩摩半島の村々は、
今頃は、陛下の御召艦が自分たちの村の
沖合を通過する時刻だと思い、
夜のことで艦影は見えないが、老いも若きも、打ち揃い
ちょうちん、たいまつを持って海岸に立ちならび、
また若者たちは山々に登って、かがり火をたき、
半島一帯の村びとこぞって、陛下をお見送しているのである。
陛下は、いま、望遠鏡で、これを発見あそばされ、
暗い後甲板から、ただお一人、
静かに、この沿岸一帯の灯火に対し、
挙手御会釈を賜っていたのである。
ああ。と私は感嘆の声を発せざるを得なかった。
何という聖なる光景であろう。
夕やみに包まれた軍艦榛名の後甲板は、
あたりに人なく、声なく、
ただ陛下御挙手の尊影を仰ぐのみ、
御会釈を賜わるものは、そも誰か。
肉眼に、これを求めて、これを得ず、
わずかに、望遠鏡のレンズのうちに、
薩摩半島沿岸一帯盛んなるかな、果てしなくえんえんとして
かすかにつらなる奉送のともしび。
はるかに海をへだてて、陸から艦へ、また艦から陸へ、
闇を貫く、君臣まごころのかたらい。
ああ、これこそ、ほんとうの日本の姿でなくてなんであろう。
私は、改めて小山のような榛名の巨体を見上げたが、
月もなく、星も稀なこの闇空に、黒ずんだ、この艦は
ただ黙々と、風を切って走っている。
はるか、かなたの村びとたちには到底見えるはずがない。
何とか連絡をとって、陛下は、あなたがたのお見送りに対して、
ただいま艦上から、お別れの挨拶をしておいでになりますよ、と
知らせて上げたい気持ちで胸一ぱいの私は、
その方法のないのに、もだえ苦しんだ。
無線で打電しようかとも思ったが、いま、あの山の上で
かがり火をたいている人たちの耳に、
到底、今夜のうちに届くとは思われない。
フト、そのとき一案を思いついた私は、
すぐさま艦長室へ走った。
艦長に事情を話して、
探照灯を全部つけて貰うことを頼んだところ、
艦長も感激して、すぐ、つけましょう。というので、
私は、また、すぐに後甲板に引きかえしたところ、そのときは、
もう6ケの探照灯の光芒が、皎々と、
左は大隅半島、右は薩摩半島の空や海や海岸一帯を、
くまなく撫でまわしていた。
はるかに、ワッ、とあがる両岸の歓声を想像しながら、
私は心のうちで叫んだ。
幸いなる哉、われよ、汝は、ただ一人、
ここに千古に変らぬ日本の姿を見たりと。


----------

たぶん、父は何かの説教でこの話をしたのだと思う(それが何だったのか忘れちゃった不肖の娘であります)が、その話は、昭和天皇が暗い甲板で、一人遠くの薩摩半島の灯火に答礼しておられたところで終わりだった。
ただ、演習が無事終わり、乗組員たちの夕飯後のリラックス感漂う艦内、船がゆるゆると進む間中、身じろぎもせず村人の見送りの灯火に向かいただお一人挙手されている昭和天皇のお姿を自分もそれを拝したかのように口下手な父が手振りを交えて短く語った話は、戦後左翼教育をどっぷりされた娘の頭の片隅にも、感動を保って残った。

この話は供奉員木下道雄氏(後の侍従次長)の「宮中見聞録」という本に書いてある。

ミテコサマが西日本豪雨の被災者を見舞った時、「足元が悪いから絨毯を敷け」と仰せがあって、すぐ赤絨毯が敷かれたとか、被災者を抱きしめた時、ミテコサマの体温のぬくもりが被災者にすぐ伝わる素材で服を作ったとか、警官が家々を回って「リョーヘーカのお出迎えに出てくれ」と招集をかけたりとか・・・




↑ 赤絨毯が敷かれた被災地お見舞い



せっかく戦争のない日本が続いていたのに、おかしな美談がまかり通るようになって、いい時代なのか何なのかよくわからなくなったわね。


切りよく、今年で平成が終わらないかな~。













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季節感溢れる御召し物…
ですね。

ゴージャスも素敵ですが、
シンプルも素敵です。
大和三山 2018/11/18(Sun)23:16:24 編集
ヤラセの平成
今上夫婦のヤラセ感。
以前は漂う程度でしたが、
今では噴出しまくりで、
鼻について不快。

被災地に赤絨毯を敷かせる事が慰問になるとか、
被災者慰問するために新しく服を新調させるのが、
天皇皇后として絶対に必要な公務だ、
ありがたい、
立派だ、
慈愛だ、
象徴天皇の姿だと、
私には納得できないし理解できない。


新元号への切り替えは、
一般民間人にとって重要ですから、
どうせ生前退位により切り替えるのであれば、
切り良く年末で平成が終われば良いと、
私も思います。
ガーネット 2018/11/19(Mon)04:28:52 編集
雅子様のお衣装
ワインレッドの素敵なスーツは、20年前の
お衣装だとか。綺麗に手入れされていて感心しています。
してみると、あのオランダ国王陛下の戴冠式の時お召しのドレスはなんだったのか、と想いだされます。激しく色あせ、シワがくっきりついていた。誰かがわざとやったとしか思えない。飛行機の中は狭いから帽子の箱が〜
とか、衣装は掛けておくので大変〜とか
誰かが言っていた。
付いていた女官さんのドレスは新しくて
シワ一つなかった。
それでも、皇太子妃殿下は真っ直ぐに
立っていらした。色あせたシワだらけの
ドレスでも輝く美しさだった。
あの時、オランダに行かれて良かった。
あのお姿に私は感動しました。
何をされて生きてこられたかがはっきりと分かった。
皇太子御夫妻は本当にお強い。

赤い絨毯は天皇陛下が間違ってどこかに行っちゃうから、赤い絨毯の上を歩くのですよと、皇后陛下が耳元で囁く為かと思ってました。

雑音でございます。
雑音です 2018/11/19(Mon)16:18:00 編集
同じ思いです
今年のトレンド色は、ワインレッドとか、ボルドー、エンジ色などが目立ちますが、田舎ものだから、本当にそうかな?とは思いますが、流行っていそうな気がします。
ワインレッドをこれほど見事に着こなされる雅子さま、本当に素敵でたまりません。
ミチコさんキコさん、悔しくてまた似たスーツを作りそうです。それにつけても同じ年頃のミチコさんと雅子さまの大きな違いは、美貌ばかりでなく、知性とお人柄によるものでしょう。
代替わりしても何をされるかわかりませんが、皇太子ご夫妻なら、さらっとお過ごしになられることでしょう。
オランダでのお衣装はくたびれていても、前列にお立ちになられた姿は、とても美しいラインのドレスでした。
雑音~2 2018/11/19(Mon)20:49:30 編集
無題
おじいちゃん、この赤い線の矢印に沿って歩けば認知症外来に行きますからね。
あ、足元に気を付けて。ゆっくり、ゆっくりで良いからね。
そうそう。
奥様もせっかくいらしたんだから、診ていただいたら?
6qyb 2018/11/20(Tue)10:19:05 編集
流行ってます。
こんばんは。今年はワインレッド、ボルドー、えんじ色が確かに流行ってます。老いも若きもみな着ています。去年、いや今年?前の冬に雅子さまが着ていらしたような気がします。また、スカーフ、ストールも去年ごろから復活しています。
近所にある大学生の服装で昨今の流行がわかるので、間違いないです。
なな 2018/11/20(Tue)20:05:08 編集
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